COLUMN

夏のアウトドアで注意したい健康リスク

グラングリーン大阪うめきたクリニックの島田英徳です。

夏はキャンプやハイキング、バーベキューなど、アウトドア活動が楽しい季節です。しかし、屋外での活動には熱中症や虫刺され、予期せぬ怪我といった健康上のリスクも伴います。これらのリスクを正しく理解し、適切な予防策を講じることで、安全に夏のレジャーを楽しむことができます。

この記事では、夏のアウトドア活動で特に注意すべき3つの健康リスク「熱中症」「虫刺され」「怪我」について、その原因や症状、ご自身でできる予防と対策を解説します。万が一の際に慌てないための知識としても、ぜひお役立てください。

夏の屋外で特に注意したい熱中症の対策

熱中症は、高温多湿な環境に長時間いることで、体内の水分や塩分のバランスが崩れたり、体温調節機能がうまく働かなくなったりして起こる、さまざまな症状の総称です。屋外での活動中は、特に注意が必要です。

熱中症の予防のためにできること

  • こまめな水分・塩分補給:のどが渇く前に、定期的(例:20〜30分ごと)に水分を補給することが大切です。汗をたくさんかく場合は、スポーツドリンクや経口補水液などで塩分やミネラルも一緒に補給しましょう。
  • 涼しい服装を心がける:吸湿性や速乾性に優れた素材の服を選び、風通しを良くしましょう。帽子や日傘を活用して、直射日光を避けることも有効です。
  • 日中の活動時間を調整する:気温が最も高くなる時間帯(午前11時〜午後2時頃)の激しい運動や長時間の作業はできるだけ避け、こまめに休憩を取りましょう。

熱中症が疑われる場合の応急処置

めまい、立ちくらみ、筋肉のけいれん、頭痛、吐き気などの症状が見られた場合は、熱中症の可能性があります。速やかに以下の応急処置を行ってください。

  • 風通しの良い日陰や、クーラーが効いている室内など、涼しい場所へ移動する。
  • 衣服をゆるめ、体を楽にする。
  • 濡れたタオルや氷のうなどで、首の周り、脇の下、足の付け根などを冷やして体温を下げる。
  • 水分と塩分を補給する。ただし、意識がはっきりしない場合は無理に飲ませないでください。

呼びかけに反応しない、自力で水分補給ができないといった場合は、ためらわずに救急車を呼ぶなど、速やかに医療機関を受診する必要があります。

虫刺されによる皮膚トラブルと感染症のリスク

山や川、草むらなど自然豊かな場所には、蚊、ブヨ(ブユ)、ハチ、マダニなど、さまざまな虫が生息しています。虫刺されは、かゆみや腫れといった皮膚症状だけでなく、アレルギー反応や感染症の原因となることもあります。

虫刺されの予防策

  • 肌の露出を避ける:長袖、長ズボン、靴下を着用し、できるだけ肌を出さないようにしましょう。特にマダニなどが潜む草むらに入る際は注意が必要です。
  • 虫除け剤を使用する:ディートやイカリジンといった成分が含まれた虫除けスプレーやクリームを、肌の露出部分や服の上から使用します。
  • 服装の色に気をつける:ハチは黒い色に攻撃的になる性質があると言われています。白や黄色など、明るい色の服装が比較的推奨されます。

刺された後の対処法と注意点

虫に刺された場合は、まず傷口を清潔な水で洗い流し、冷やすことでかゆみや腫れを和らげることが期待できます。かきむしると皮膚を傷つけ、細菌感染(とびひなど)の原因になることがあるため、注意しましょう。ハチに刺された場合は、息苦しさ、じんましん、めまいなどの症状(アナフィラキシーショック)が現れたら、命に関わる可能性があるため、直ちに救急要請が必要です。また、マダニに刺された場合は、無理に引き抜こうとせず、皮膚科などの医療機関を受診してください。

アウトドアでの怪我と破傷風のリスク

アウトドア活動では、転倒による擦り傷や切り傷、捻挫などの怪我も起こり得ます。特に土や砂、錆びた金属などで怪我をした場合、傷口から破傷風菌が侵入し、重篤な症状を引き起こす「破傷風」に感染するリスクがあります。

怪我の応急処置

小さな切り傷や擦り傷の場合は、まず傷口を清潔な水で十分に洗い流し、汚れを落とすことが重要です。その後、清潔なガーゼや絆創膏で傷口を保護します。出血が多い場合は、清潔な布などで傷口を直接圧迫して止血を試みます。傷が深い、汚れている、出血が止まらないといった場合は、医療機関での処置が必要です。

破傷風の予防

破傷風は、破傷風菌が産生する毒素によって、口が開きにくくなったり、体の筋肉がけいれんしたりする病気です。予防にはワクチン接種が有効とされています。日本では定期接種が行われていますが、ワクチンの効果は時間とともに弱まる可能性があるため、アウトドア活動やガーデニングなど、土に触れる機会が多い方は、追加のワクチン接種を検討することも選択肢の一つです。最終的な接種の判断については、医師にご相談ください。

症状が改善しない場合は医療機関へ

熱中症が疑われる症状が改善しない、虫刺されの腫れや痛みが数日経っても引かない、あるいは悪化する、怪我をした傷が深い、汚れているなど、ご自身での対処に不安がある場合は、無理をせずに医療機関を受診してください。

グラングリーン大阪 うめきたクリニックでは、内科・小児科として、今回ご紹介したようなアウトドア活動に伴う体調不良や怪我に関するご相談も受け付けております。破傷風ワクチンの接種に関するご相談も可能です。JR大阪駅や各線梅田駅からアクセスしやすい立地にありますので、活動の前後で気になる症状があれば、お気軽にご相談ください。診察を通じて、個々の状況に応じた適切な対応をご提案します。

まとめ

夏のアウトドア活動を安全に楽しむためには、熱中症、虫刺され、怪我といった健康リスクへの備えが欠かせません。こまめな水分補給や適切な服装、虫除け対策、そして万が一のための救急セットの準備など、事前の対策をしっかりと行いましょう。そして、もし体調に異変を感じたり、対応に困る怪我をしたりした場合は、早めに医療機関に相談することが大切です。正しい知識と準備で、思い出に残る楽しい夏をお過ごしください。

参考情報

監修医師紹介

島田 英徳

医療法人島田クリニック理事長
グラングリーン大阪うめきたクリニック診療部長

島田 英徳

2005年徳島大学医学部医学科卒業。初期研修後、米国医師資格(ECFMG certification)を取得し、米国ワシントン大学一般外科にてサブインターンとして研修。京都大学大学院医学研究科博士課程、京都大学iPS細胞研究所研究員を経て、2013年に島田クリニックを開業。グラングリーン大阪うめきたクリニック(https://umekitaclinic.org)では、内料・小児科から細胞治療や美容医療に至るまで、幅広い診療に携わる。

※本記事の医師監修に関して、学術部分のみの監修となり、医師が具体的な施術や商品等を推奨しているものではございません。

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