グラングリーン大阪うめきたクリニックの島田英徳です。
「予防医療」という言葉を耳にする機会が増え、病気になってから治療するのではなく、病気になる前の段階から健康を維持し、将来の疾病リスクを管理することへの関心が高まっています。そのような考え方の中で、ご自身の細胞を活用する「予防的細胞治療」というアプローチが注目され始めています。この記事では、まだ聞き慣れないかもしれないこの「予防的細胞治療」について、その基本的な考え方や期待される役割、検討する際に知っておきたいことなどを解説します。
予防的細胞治療の基本的な考え方
予防的細胞治療とは、特定の病気を治療する目的ではなく、健康な状態を長く維持することや、将来的な病気のリスクを低減させることを目指して、ご自身の細胞(主に免疫細胞や幹細胞)を用いるアプローチの一つです。これは、病気と健康の間のグレーゾーンである「未病」の段階で身体のバランスを整え、健康な状態に引き戻すという考え方にも通じます。
私たちの身体は、ウイルスや細菌、体内で発生する異常な細胞などから自身を守る「免疫機能」や、傷ついた組織を修復する「再生能力」を持っています。しかし、これらの力は加齢やストレス、生活習慣などによって徐々に低下することがあります。予防的細胞治療は、ご自身の細胞を一度体外に取り出し、培養によって数を増やしたり、機能を高めたりした後に再び体内に戻すことで、本来持っているこれらの力をサポートすることを目的としています。
どのような細胞が用いられるのか
予防的細胞治療で主に用いられるのは、ご自身の「免疫細胞」や「幹細胞」です。それぞれ異なる役割を持っています。
- 免疫細胞
T細胞やNK(ナチュラルキラー)細胞などが代表的です。これらの細胞は、体内に侵入した病原体や、がん細胞などの異常な細胞を見つけ出して攻撃する役割を担っています。これらの免疫細胞を活性化させて体内に戻すことで、免疫システムの監視能力を維持・向上させることが期待されます。 - 幹細胞
様々な種類の細胞に変化(分化)する能力と、自分自身を複製する能力を併せ持つ特殊な細胞です。身体の組織が損傷した際に、新しい細胞を供給して修復を助ける働きがあります。この能力を利用して、身体のコンディションを整え、組織の再生能力をサポートすることが期待されています。
これらの細胞をご自身の血液や組織から採取し、専門の施設で厳格な管理のもとで培養・加工された後、点滴などによって体内に戻すのが一般的な流れです。
検討する前に知っておきたい注意点
予防的細胞治療は新しい分野の医療であり、検討する際にはいくつかの重要な点を確認しておく必要があります。
- 自由診療であること
このアプローチは、現時点では公的医療保険の適用外となる自由診療です。そのため、費用は全額自己負担となります。 - 効果に関する考え方
あくまで健康維持や疾病リスクの低減を目的とした「予防」的な位置づけであり、特定の病気の治療や効果を保証するものではありません。期待できることと限界について、医師から十分な説明を受け、正しく理解することが大切です。 - 安全性と法律
再生医療や細胞治療は、「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」に基づいて、国から認可を受けた医療機関でのみ提供が許可されています。治療を受ける際は、その医療機関が適切な届け出や計画を提出しているかを確認することも重要です。 - 医師による診断の必要性
誰でも受けられるわけではなく、現在の健康状態や既往歴などを基に、医師が適応を慎重に判断します。まずは専門の医師に相談し、ご自身が対象となるのか、どのようなリスクが考えられるのかを確認する必要があります。
大阪・梅田で予防医療や細胞治療の相談をするには
将来の健康のために何か始めたい、あるいは予防的細胞治療のような新しい選択肢について詳しく知りたいと考えた場合、まずは専門的な知識を持つ医師に相談することが第一歩です。インターネット上の情報だけでは、ご自身の状態に合っているかを判断することは困難です。
グラングリーン大阪 うめきたクリニックでは、内科診療や予防医療に関するご相談を受け付けています。予防的細胞治療を含む再生医療の選択肢についても、その仕組みや考えられるリスク、費用などについて、医師が丁寧にご説明します。ご自身の健康状態やライフプランを踏まえ、どのような選択肢が考えられるのかを一緒に検討することが可能です。
グラングリーン大阪 うめきたクリニックは大阪駅に直結しており、アクセスしやすい立地にあります。お仕事やご予定の合間にでも、ご自身の健康について考える時間を持ってみてはいかがでしょうか。まずは診察にて、お気軽にご相談ください。
まとめ:未来の健康を考える新しい視点
予防的細胞治療は、ご自身の免疫細胞や幹細胞を活用して、病気になる前の「未病」の段階から健康を維持し、将来に備えるという新しい予防医療のアプローチです。加齢とともに変化する身体の機能をサポートする選択肢として期待されていますが、まだ発展途上の分野でもあります。
このアプローチを検討する際は、自由診療であることや、効果には個人差があること、リスクも存在することを理解した上で、信頼できる医療機関で医師と十分に話し合うことが不可欠です。未来の健康への投資として、このような選択肢があることを知り、ご自身の健康管理について改めて考えるきっかけとしていただければ幸いです。
参考情報
- PubMed: Antiviral T-cell therapy. (2014)
- PubMed: A fungal-derived adjuvant amplifies the antitumoral potency of Bacillus Calmette-Guérin via reprogramming granulopoiesis. (2025)
- PubMed: Effect of Recombinant Zoster Vaccine on Incidence of Herpes Zoster After Autologous Stem Cell Transplantation: A Randomized Clinical Trial. (2019)
- PubMed: Perinatal immunomodulation. (2002)
- PubMed: HepB-CpG vs HepB-Alum Vaccine in People With HIV and Prior Vaccine Nonresponse: The BEe-HIVe Randomized Clinical Trial. (2025)
- PMC: Immunomodulators in SLE: Clinical evidence and immunologic actions. (2016)
- PMC: Therapeutic cancer vaccines: are we there yet? (2011)
- PMC: Hydrogel-guided strategies to stimulate an effective immune response for vaccine-based cancer immunotherapy. (2022)
- PMC: ProtEx technology for the generation of novel therapeutic cancer vaccines. (2009)
- 厚生労働省: 医療広告規制におけるウェブサイト等の事例解説書 / Q&A (2023)
監修医師紹介
医療法人島田クリニック理事長
グラングリーン大阪うめきたクリニック診療部長
島田 英徳
2005年徳島大学医学部医学科卒業。初期研修後、米国医師資格(ECFMG certification)を取得し、米国ワシントン大学一般外科にてサブインターンとして研修。京都大学大学院医学研究科博士課程、京都大学iPS細胞研究所研究員を経て、2013年に島田クリニックを開業。グラングリーン大阪うめきたクリニック(https://umekitaclinic.org)では、内料・小児科から細胞治療や美容医療に至るまで、幅広い診療に携わる。
※本記事の医師監修に関して、学術部分のみの監修となり、医師が具体的な施術や商品等を推奨しているものではございません。