グラングリーン大阪うめきたクリニックの島田英徳です。
「免疫細胞療法」という言葉を目にして、がん免疫療法とどう違うのか、NK細胞治療はその中のどこに当たるのかと疑問に思う方は少なくありません。この記事では、免疫細胞療法の全体像と、NK細胞治療の位置づけを、効果を断定しない形で整理します。
免疫細胞療法とはどのような考え方か
免疫細胞療法とは、体の免疫を担う細胞を体外で培養・活性化させ、再び体内に戻すことで、がん細胞への働きを支えようとする考え方の治療です。細胞を用いる点から、細胞治療の一分野として扱われます。
一方、「がん免疫療法」という言葉はより広く、免疫チェックポイント阻害薬のような薬剤を用いる方法も含みます。免疫細胞療法はその中で、細胞そのものを治療に用いるタイプを指すことが多いと整理すると分かりやすくなります。
NK細胞とは何をする細胞か
NK細胞(ナチュラルキラー細胞)は、リンパ球の一種で、体内を巡りながら異常な細胞を見つけて反応する役割を持つ自然免疫の細胞です。事前の特別な感作を必要とせずに働く点が特徴とされています。
こうした性質から、NK細胞を体外で増やして用いる治療が、がんに対する免疫細胞療法の一つとして研究されてきました。海外では、NK細胞を用いた細胞治療に関する総説も発表されており、研究が続いている領域です。ただし、研究段階の知見をそのまま個々の患者さんの結果に当てはめることはできません。
ほかの細胞を用いる治療との違い
細胞を用いるがん治療には、いくつかの方向性があります。たとえば、遺伝子を改変したT細胞を用いるCAR-T療法は、特定の血液がんなどで保険診療として用いられるものがあります。これは、承認を受けた製品と対象疾患が定められた治療です。
これに対し、患者さん自身の血液から採取したNK細胞を培養して戻す治療は、日本では再生医療等安全性確保法の枠組みのもとで提供される自由診療として行われるのが一般的です。保険診療とは前提が異なるため、費用や治療の位置づけを事前に確認することが大切になります。
- 使う細胞の種類(NK細胞、T細胞など)
- 保険診療か自由診療か
- 標準治療との関係(代わりになるものではなく、併せて相談する位置づけか)
受診前に確認したいこと
免疫細胞療法を検討する際は、期待だけでなく、限界やリスクも含めて理解しておくことが重要です。治療の効果は人によって異なり、効果を保証するものではありません。現在の治療を続けている場合は、主治医とも情報を共有しながら検討を進めましょう。
- 治療に用いる細胞の培養や品質管理が、どのような体制で行われているか
- 再生医療等の提供計画が届出されているか
- 想定される副作用やリスク、治療回数・期間・費用の説明
- 標準治療を受けている場合の、併用や時期についての考え方
これらは、医師の診察を受けたうえで個別に確認すべき内容です。インターネットの情報だけで、ご自身に合うかどうかを判断することは難しいため、疑問点は遠慮なく質問してください。
グラングリーン大阪 うめきたクリニックで相談する自然な理由
グラングリーン大阪 うめきたクリニックは、梅田エリアにあり、仕事帰りや通院の合間にも立ち寄りやすい立地です。細胞治療については、医師の診察を通じて、ご自身の状況に対する適応やリスク、治療の流れを確認することができます。
治療の詳細や考え方は、公開されている関連ページでも確認できます。まずは情報を整理したい段階でも、気になる点を持ち寄って相談する形で問題ありません。診療内容や料金などの詳細は、詳細はこちらからご確認ください。
まとめ
免疫細胞療法は、免疫を担う細胞を治療に用いる考え方で、NK細胞治療はその一つとして位置づけられます。効果は個人によって異なり、保証されるものではありません。使う細胞の種類、制度上の位置づけ、リスクや費用を整理したうえで、医師の診察を受けて判断することが大切です。
CAR-T療法
- 改変したT細胞を使う
- 特定の疾患で保険診療
- 承認製品と対象が定義
NK細胞治療
- 自分のNK細胞を培養
- 自由診療が一般的
- 再生医療等の制度下
この図は本文の内容を整理した概念図です。効果を保証するものではありません
参考情報
- PubMed: Natural killer cells in antitumour adoptive cell immunotherapy. (2022)
- PubMed: Natural killer cell-based immunotherapy for cancer. (2025)
- PubMed: Natural killer cell therapies. (2024)
- PubMed: CAR-T and CAR-NK as cellular cancer immunotherapy for solid tumors. (2024)
- PubMed: Allogeneic natural killer cell therapy. (2023)
- PMC: Adoptive immunotherapy against ovarian cancer. (2016)
- PMC: Targeting immune checkpoints: how to use natural killer cells for fighting against solid tumors. (2023)
- PMC: Natural Killer Cell Recognition and Control of Epithelial Cancers. (2022)
- PMC: Adoptive Immunotherapy: A Human Pluripotent Stem Cell Perspective. (2023)
- 厚生労働省: 医療広告規制におけるウェブサイト等の事例解説書 / Q&A (2023)
監修医師紹介
医療法人島田クリニック理事長
グラングリーン大阪うめきたクリニック診療部長
島田 英徳
2005年徳島大学医学部医学科卒業。初期研修後、米国医師資格(ECFMG certification)を取得し、米国ワシントン大学一般外科にてサブインターンとして研修。京都大学大学院医学研究科博士課程、京都大学iPS細胞研究所研究員を経て、2013年に島田クリニックを開業。グラングリーン大阪うめきたクリニック(https://umekitaclinic.org)では、内料・小児科から細胞治療や美容医療に至るまで、幅広い診療に携わる。
※本記事の医師監修に関して、学術部分のみの監修となり、医師が具体的な施術や商品等を推奨しているものではございません。