グラングリーン大阪うめきたクリニックの島田英徳です。
バッグ豊胸を調べていると、「スムース」「テクスチャード」という言葉に出会います。どちらも豊胸バッグの表面の仕上げを指す用語ですが、違いがどのような意味を持つのか分かりにくいと感じる方も多いはずです。この記事では、バッグ表面の構造の違いと、被膜拘縮などの合併症に関する研究知見を、できるだけ慎重に整理します。
結論:表面構造は選択の一要素であり、優劣は単純に決まらない
豊胸バッグの表面構造には、なめらかなスムースと、細かな凹凸をもつテクスチャードがあります。研究では、表面構造と被膜拘縮の起こりやすさの関係が検討されていますが、挿入位置や手術手技、患者さん側の要因なども結果に影響するため、どちらが優れていると一概に言い切ることはできません。表面構造は、挿入位置やバッグの形状などと合わせて総合的に検討される要素の一つです。
スムースとテクスチャードの構造の違い
スムースタイプは、バッグ外側の殻(シェル)の表面がなめらかに仕上げられたものです。体内で周囲の組織と強く癒着しにくく、バッグが被膜の中である程度動く特徴があるとされています。一方、テクスチャードタイプは、表面に微細な凹凸をつけたものです。凹凸によって周囲の組織と接する面積や質感が変わり、バッグが位置を保ちやすくなることを期待して設計されてきました。
ただし、テクスチャードと呼ばれるものにも、凹凸の粗さや作り方の異なる複数の種類があります。表面の粗さは製品ごとに異なり、体内で起こる反応の違いが、細胞や遺伝子発現のレベルで研究されています。「テクスチャード」とひとまとめにせず、製品ごとの特性を確認する視点が大切です。
被膜拘縮との関係について分かっていること
被膜拘縮とは、バッグの周囲にできる被膜が硬くなり、胸の変形や痛みなどにつながる状態です。バッグ豊胸で知られる合併症の一つとして、多くの研究が行われています。
大胸筋下に挿入した場合の系統的な文献レビューでは、スムースとテクスチャードのいずれも被膜拘縮が少ない傾向が報告されています。また、乳腺下への挿入を対象にした研究では、表面構造による被膜拘縮リスクの差が検討されています。一方で、動物モデルを用いた研究では、製品ごとに被膜の形成のされ方が異なる可能性も示されています。これらの結果は研究デザインや対象が異なるため、一つの研究だけで結論を一般化せず、複数の知見を総合して考える必要があります。
テクスチャードバッグとBIA-ALCLに関する知識
テクスチャードバッグについては、BIA-ALCL(乳房インプラント関連未分化大細胞型リンパ腫)との関連が国際的に議論されてきました。まれな疾患ではあるものの、この議論を受けて、各国でテクスチャードバッグの使用や挿入位置に対する考え方が見直されてきた経緯があります。外科医を対象にした調査でも、使用傾向に変化があることが報告されています。
バッグの種類によって扱いや承認状況が異なる場合もあるため、検討の際は、どの製品を用いるのか、その製品にどのような注意事項があるのかを、診察の場で確認することが重要です。
相談前に確認したいポイント
- 使用するバッグの種類と表面構造、およびその特性について説明を受けたか
- 挿入位置や切開位置など、手術手技との組み合わせでどのようなリスクがあるか
- 被膜拘縮や破損、再手術の可能性、定期的な経過観察の必要性
- 術後の通院や検診の進め方について
バッグ豊胸は、体型や既往歴、ご希望によって適した方法が異なり、効果や経過には個人差があります。表面構造だけで選ぶのではなく、医師の診察に基づいて、利点とリスクの両方を理解したうえで判断することが大切です。
グラングリーン大阪 うめきたクリニックで相談する自然な理由
グラングリーン大阪 うめきたクリニックは梅田エリアにあり、仕事帰りやお買い物のついでに立ち寄りやすい立地です。バッグ豊胸は、診察でご自身の体の状態を確認し、適応やリスクについて十分に説明を受けたうえで検討することが前提となります。公開している美容医療のページでは、メニューの内容を事前に確認できます。気になる点を整理したうえで、診察時にご相談ください。
スムース
- 表面がなめらか
- 被膜内で動きやすい
- 製品ごとに特性を確認
テクスチャード
- 表面に微細な凹凸
- 粗さや種類は複数
- BIA-ALCLの議論あり
この図は本文の内容を整理した概念図です。診察で医師にご確認ください
参考情報
- PubMed: Reduced capsular contracture with smooth and textured breast implants following submuscular mammoplasty: systematic literature review. (2021)
- PubMed: Does Implant Surface Texture Affect the Risk of Capsular Contracture in Subglandular Breast Augmentation and Breast Augmentation-Mastopexy? (2020)
- PubMed: Silicone Breast Implant Surface Texture Impacts Gene Expression in Periprosthetic Fibrous Capsules. (2023)
- PubMed: Implant Texture and Capsular Contracture: A Review of Cellular and Molecular Pathways. (2024)
- PMC: Breast Implant Capsule: A Murine Model Comparing Capsular Contracture Susceptibility Among Six Breast Implants Available in the Market. (2023)
- PMC: Comparison of Formation of Capsule Among Different Breast Silicone Implants. (2022)
- PMC: Breast Implant Surfaces and Their Impact on Current Practices: Where We Are Now and Where Are We Going? (2019)
- PMC: The Influence of BIA-ALCL on the Use of Textured Breast Implant and its Placement: A Survey of Dutch Plastic Surgeons. (2023)
- 厚生労働省: 医療広告規制におけるウェブサイト等の事例解説書 / Q&A (2023)
- 厚生労働省: 医療広告規制に関する情報
監修医師紹介
医療法人島田クリニック理事長
グラングリーン大阪うめきたクリニック診療部長
島田 英徳
2005年徳島大学医学部医学科卒業。初期研修後、米国医師資格(ECFMG certification)を取得し、米国ワシントン大学一般外科にてサブインターンとして研修。京都大学大学院医学研究科博士課程、京都大学iPS細胞研究所研究員を経て、2013年に島田クリニックを開業。グラングリーン大阪うめきたクリニック(https://umekitaclinic.org)では、内科・小児科から細胞治療や美容医療に至るまで、幅広い診療に携わる。
※本記事の医師監修に関して、学術部分のみの監修となり、医師が具体的な施術や商品等を推奨しているものではございません。