グラングリーン大阪うめきたクリニックの島田英徳です。
再生医療や細胞治療について調べていると、「脂肪由来間葉系幹細胞」「骨髄由来幹細胞」といった言葉を目にする機会が増えます。どちらも間葉系幹細胞と呼ばれる細胞ですが、どこから採取するのか、どのような特徴があるのかは、あまり整理されていないことも多いようです。この記事では、脂肪由来間葉系幹細胞の基本と、骨髄由来との違いを、公開されている論文や公的情報をもとに中立的に解説します。
脂肪由来間葉系幹細胞とは
間葉系幹細胞(間葉系間質細胞とも呼ばれます)は、骨や軟骨、脂肪などの細胞に分化する能力を持つとされる細胞です。さらに、周囲の細胞に働きかける様々な因子を分泌することも知られており、基礎研究や臨床研究の対象として世界中で検討が進められています。
脂肪由来間葉系幹細胞は、その名のとおり脂肪組織から得られる間葉系幹細胞です。皮下脂肪などの組織に含まれており、採取した脂肪から細胞を分離し、必要に応じて培養して用います。ただし、研究段階の知見と実際の診療での位置づけは異なりますので、「研究で報告されている性質」と「個々の治療で期待できること」を分けて考えることが大切です。
骨髄由来との違いは採取方法と細胞数
間葉系幹細胞は、脂肪組織のほか骨髄、臍帯などからも得られます。なかでも脂肪由来と骨髄由来は研究数が多く、2012年に報告された比較レビューでも、両者の共通点と相違点が整理されています。
- 採取方法:脂肪由来は皮下脂肪の採取、骨髄由来は骨髄液の採取が必要になります。
- 細胞数:一般に、脂肪組織は単位量あたりに含まれる幹細胞の割合が比較的多いと報告されています。
- 増殖と性質:増殖の様子や分泌する因子には違いがあるとされますが、条件によって結果が異なるため一概には言えません。
こうした違いはあくまで研究上の傾向であり、どちらが優れているかを断定できるものではありません。目的や体の状態によって、適した選択肢は変わります。
研究で検討されている分野と注意点
脂肪由来間葉系幹細胞は、骨再生や運動器の疾患などを対象とした研究が公開されています。一方で、多くは基礎研究や限られた規模の臨床研究であり、単一の研究結果だけで治療方針を決められるものではありません。
また、日本では細胞を用いた医療は再生医療等安全性確保法に基づく届出や提供基準のもとで行われます。自由診療として提供される場合は、費用、治療回数、想定されるリスクや副作用についても、事前に十分な説明を受けることが重要です。
受診前に確認したいこと
脂肪幹細胞を用いた治療を検討する場合、次のような点を整理しておくと、診察での相談がスムーズになります。
- 自分の目的や症状が、細胞治療の相談対象になるのか
- 脂肪の採取方法と、採取後の過ごし方
- 細胞の培養や品質管理がどのような体制で行われるのか
- 費用、治療回数、期間、起こり得るリスクや副作用
- 既往歴や服用中の薬との関係
治療の適応は、医師の診察による個別の判断が必要です。ウェブ上の情報だけで自己判断せず、不明点はそのままにしないことをおすすめします。
グラングリーン大阪 うめきたクリニックで相談する理由
グラングリーン大阪 うめきたクリニックは、梅田エリアで通いやすい立地にあり、再生・細胞医療について医師の診察のもとで相談できます。診察では、ご自身の状態や希望を確認したうえで、適応やリスク、治療の流れについて説明を受けることができます。細胞治療の考え方や提供内容の詳細は、公開済みのページでも確認できます。
治療の内容や費用、リスクなどを事前に把握したうえで、納得して判断できるよう、気になる点は遠慮なく質問してください。詳細はこちら
まとめ
脂肪由来間葉系幹細胞と骨髄由来幹細胞は、どちらも間葉系幹細胞ですが、採取方法や含まれる細胞数、増殖の様子などに違いがあると報告されています。ただし、研究上の傾向をそのまま個人の治療に当てはめることはできません。再生医療を検討する際は、制度や品質管理、費用、リスクを確認し、医師の診察で個別に相談することが大切です。
脂肪由来
- 皮下脂肪から採取
- 細胞の割合が比較的多い
- 研究で性質を検討中
骨髄由来
- 骨髄液から採取
- 増殖や因子に違い
- 研究で性質を検討中
この図は本文の内容を整理した概念図です
参考情報
- PubMed: Same or not the same? Comparison of adipose tissue-derived versus bone marrow-derived mesenchymal stem and stromal cells. (2012)
- PubMed: Current perspectives on mesenchymal stromal cell therapy for graft versus host disease. (2023)
- PubMed: Therapeutic potential of genetically modified mesenchymal stem cells. (2008)
- PubMed: [Current basic understanding and clinical application of mesenchymal stromal/stem cells]. (2018)
- PMC: Role of Adipose-Derived Mesenchymal Stem Cells in Bone Regeneration. (2024)
- PMC: Adipose-Derived Mesenchymal Stem Cells: A Promising Tool in the Treatment of Musculoskeletal Diseases. (2019)
- PMC: Advances in polymer-based hydrogel systems for adipose-derived mesenchymal stem cells toward bone regeneration. (2026)
- PMC: Mesenchymal stem cells can participate in ischemic neovascularization. (2009)
- 厚生労働省: 医療広告規制におけるウェブサイト等の事例解説書 / Q&A (2023)
- 厚生労働省: 医療広告規制に関する情報
監修医師紹介
医療法人島田クリニック理事長
グラングリーン大阪うめきたクリニック診療部長
島田 英徳
2005年徳島大学医学部医学科卒業。初期研修後、米国医師資格(ECFMG certification)を取得し、米国ワシントン大学一般外科にてサブインターンとして研修。京都大学大学院医学研究科博士課程、京都大学iPS細胞研究所研究員を経て、2013年に島田クリニックを開業。グラングリーン大阪うめきたクリニック(https://umekitaclinic.org)では、内科・小児科から細胞治療や美容医療に至るまで、幅広い診療に携わる。
※本記事の医師監修に関して、学術部分のみの監修となり、医師が具体的な施術や商品等を推奨しているものではございません。