グラングリーン大阪うめきたクリニックの島田英徳です。
脂肪注入豊胸では、お腹や太ももなどから採取した脂肪をそのまま入れるのではなく、注入の前に「処理」を行うのが一般的です。ただ、その処理の方法には遠心分離、洗浄、沈殿(デカンテーション)、フィルターを使う方法など複数あり、「どれが最も生着しやすいのか」と疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。この記事では、公開されている研究知見をもとに、脂肪の処理方法と生着の関係をできるだけ偏りなく整理します。
結論:どの処理法が最良かは、現時点で一つに定まっていません
脂肪移植の採取・処理・注入の手技を整理したレビュー論文(2015年)では、処理方法について研究ごとに結果が異なり、標準化された最適な方法は確立していないという趣旨が示されています。つまり「この処理法を選べば生着が良くなる」と言い切れる段階ではありません。処理法の違いだけでなく、採取部位、注入量、注入する層、受け手側の組織の状態など、多くの要素が重なって結果に影響すると考えられています。
脂肪を「処理」する目的とは
吸引して得られた脂肪には、脂肪細胞のほかに、麻酔液、血液、壊れた細胞から出た油分などが混ざっています。これらをそのまま注入すると、体積が不安定になったり、炎症の原因になったりする可能性が指摘されています。処理の主な目的は、こうした不要な成分を取り除き、注入に適した状態に整えることです。
- 沈殿(デカンテーション):容器の中で静置し、重力によって水分や油分を分離する方法
- 遠心分離:回転によって成分を層に分ける方法。回転の強さや時間によって脂肪への負担が変わるとされています
- 洗浄:生理食塩水などで血液や不要な成分を洗い流す方法
- フィルターやガーゼを使う方法:余分な液体を取り除く方法
研究で分かっていること・分かっていないこと
顔面の脂肪移植で3種類の処理法を比較し、移植後の体積を三次元的に解析した無作為化試験が報告されています。また、放射線照射の有無で処理法ごとの体積保持を比べた動物実験(2025年)もあります。ただし、これらは対象部位や条件が限られた研究であり、結果を豊胸にそのまま当てはめることはできません。
また、遠心分離は強い力をかけすぎると脂肪細胞に負担がかかる可能性があるとされる一方、穏やかな条件であれば大きな問題がないとする報告もあり、見解は一致していません。生着率や術後の体積変化は個人差が大きく、処理法だけで予測することは困難です。
診察時に確認しておきたいポイント
処理方法に絶対的な正解がない以上、「どの方法か」だけでなく、その方法を選ぶ理由や、術後の体積変化の見通しについて、医師から丁寧に説明を受けられるかが大切です。次のような点を事前に整理しておくと、診察でのやり取りがスムーズになります。
- 脂肪の採取部位と採取量、処理の方法について
- 術後に脂肪が減る可能性や、複数回の施術が必要になる場合があるか
- しこりや石灰化など、起こり得る合併症とその対応
- 術後の経過観察や画像検査の受け方
グラングリーン大阪 うめきたクリニックで相談する自然な理由
グラングリーン大阪 うめきたクリニックは梅田エリアにあり、仕事帰りなどにも通いやすい立地です。脂肪注入豊胸を含む豊胸のメニューについては、医師の診察で適応やリスクを確認したうえで検討できます。施術の詳細は公開ページで確認でき、料金や治療期間、リスク・副作用についても事前に把握したうえで判断していただけます。
脂肪の処理方法や生着の考え方は、体型や既往歴によっても変わります。気になる点があれば、診察の場で遠慮なくご相談ください。メニューの全体像は、美容医療トップからご確認いただけます。
まとめ
脂肪注入豊胸における脂肪の処理方法は、遠心分離・沈殿・洗浄などさまざまで、どれが最良かは現時点で結論が出ていません。研究結果は条件によって異なるため、一つの報告だけで判断せず、医師の診察に基づいて適応とリスクを確認することが大切です。
- 処理法は複数沈殿・遠心分離・洗浄など
- 最良は未確定研究ごとに結果が異なる
- 個人差がある体積変化は処理法だけで決まらない
- 診察で確認方法と理由の説明を受ける
この図は本文の内容を整理した概念図です
参考情報
- PMC: The Current State of Fat Grafting: A Review of Harvesting, Processing, and Injection Techniques. (2015)
- PMC: Preclinical Volume Retention of Fat Grafts Processed with REVOLVE™ Technology or Decantation Methods in Irradiated and Nonirradiated Wounds. (2025)
- PMC: Three-dimensional Volumetric Analysis of 3 Fat-Processing Techniques for Facial Fat Grafting: A Randomized Clinical Trial. (2018)
- PMC: The Effect of Centrifuge Duration on Fat Graft Survival. (2023)
- 厚生労働省: 医療広告規制におけるウェブサイト等の事例解説書 / Q&A (2023)
- 厚生労働省: 医療広告規制に関する情報
監修医師紹介
医療法人島田クリニック理事長
グラングリーン大阪うめきたクリニック診療部長
島田 英徳
2005年徳島大学医学部医学科卒業。初期研修後、米国医師資格(ECFMG certification)を取得し、米国ワシントン大学一般外科にてサブインターンとして研修。京都大学大学院医学研究科博士課程、京都大学iPS細胞研究所研究員を経て、2013年に島田クリニックを開業。グラングリーン大阪うめきたクリニック(https://umekitaclinic.org)では、内科・小児科から細胞治療や美容医療に至るまで、幅広い診療に携わる。
※本記事の医師監修に関して、学術部分のみの監修となり、医師が具体的な施術や商品等を推奨しているものではございません。