グラングリーン大阪うめきたクリニックの島田英徳です。
脂肪幹細胞治療に関心を持っても、「どこから始まり、どのくらいの期間がかかるのか」が見えにくいと感じる方は少なくありません。自分の脂肪を使う治療と聞くと、手術のような大きな負担を想像する方もいるでしょう。この記事では、脂肪採取から投与までの一般的な流れを順に整理し、受診前に確認しておきたい点をまとめます。
結論から言うと、脂肪幹細胞治療は「診察と説明」「脂肪の採取」「細胞の培養・品質確認」「投与」という複数の工程に分かれており、それぞれに確認すべき項目があります。工程の全体像を知っておくと、診察で質問しやすくなります。なお、実際の内容は診察による医師の判断と、再生医療等提供計画の内容によって異なります。
脂肪幹細胞治療とはどのような治療か
脂肪幹細胞治療は、ご自身の脂肪組織から取り出した脂肪由来間葉系幹細胞を、培養などの工程を経て体内に戻す再生医療の一つです。脂肪組織には幹細胞が比較的多く含まれることが知られており、研究分野でも広く扱われています。
一方で、幹細胞を用いた治療は、対象となる症状や投与方法によって期待される内容もリスクも変わります。どのような疾患や状態に対して、どの程度の根拠があるのかは、診察の場で医師から丁寧に説明を受けることが大切です。効果は個人差があり、結果を保証するものではありません。
診察から脂肪採取までの流れ
最初のステップは診察とカウンセリングです。現在の症状、既往歴、服用中の薬、過去の手術歴などを確認し、治療の対象となるかどうかを医師が判断します。感染症の検査など、細胞を扱ううえで必要な検査が行われることもあります。
治療に進む場合は、治療内容・費用・想定されるリスク・他の選択肢について説明を受け、同意書を交わします。自由診療では、費用や通院回数、治療期間が事前に示されているかを確認しましょう。
脂肪の採取は、一般に腹部や太ももなどから、局所麻酔のもとで少量の脂肪を採る方法が用いられます。採取部位には小さな切開を行うため、数日間は軽い痛み、内出血、腫れが出ることがあります。傷口の位置や術後の過ごし方も、事前に確認しておくと安心です。
細胞の培養と品質確認の工程
採取した脂肪組織は、専門の細胞培養加工施設へ運ばれます。そこで酵素などを用いて細胞を取り出し、一定期間培養して数を増やします。培養には数週間かかることが一般的ですが、期間は施設や計画によって異なります。
この工程で重要なのが品質管理です。細菌・真菌・エンドトキシンなどの汚染がないか、細胞の数や生存率が基準を満たしているかといった確認が行われます。日本では再生医療等安全性確保法に基づき、提供する医療機関は再生医療等提供計画を届け出る必要があり、細胞の製造を委託する場合は、その施設が適切に許可・届出を受けているかも確認の対象になります。
- 培養を行う施設の名称と所在地が説明されているか
- 品質確認の項目や、基準を満たさなかった場合の対応が示されているか
- 再生医療等提供計画の提供先として当該治療が届け出られているか
投与とその後の経過、受診前に確認したいこと
培養と品質確認が済んだ細胞は、診察で決めた方法で投与されます。点滴による投与のほか、治療の目的に応じた方法が選ばれる場合もあります。投与後は、発熱、投与部位の痛みや腫れ、アレルギー反応などがみられる可能性があり、経過観察や再診の体制が整っているかが重要です。
受診前には、次のような点をメモしておくと診察がスムーズです。
- 治療の対象となる症状と、その根拠について医師がどう説明するか
- 脂肪採取から投与までの期間、通院回数、費用の総額
- 想定されるリスク、副作用、中止や相談の窓口
- 他の治療法を選んだ場合との違い
特定の症状に対する効果を断定的にうたう情報には注意が必要です。公開されている研究も多くは段階的な検討であり、すべての方に同じ結果が得られるとは限りません。
グラングリーン大阪 うめきたクリニックで相談する自然な理由
グラングリーン大阪 うめきたクリニックは、梅田エリアにあり、仕事帰りや買い物のついでにも通いやすい立地です。脂肪幹細胞治療のような複数回の通院が必要になりうる治療では、通いやすさも選ぶうえでの現実的な要素になります。
診察では医師が症状や既往歴を確認し、適応やリスクについて説明します。治療を受けるかどうかは、説明を聞いたうえで、ご自身の納得を前提に決めて構いません。公開されている再生・細胞医療のページでも、取り扱いの概要を確認できますので、あわせてご覧ください。
まとめ
脂肪幹細胞治療は、診察、脂肪採取、培養と品質確認、投与という流れで進み、それぞれの段階で確認すべき点があります。とくに、培養施設の体制、再生医療等提供計画、費用と期間、リスクの説明は、受診前に押さえておきたい項目です。気になる点があれば、診察の場で医師に遠慮なく質問してください。
- 1診察・説明症状と同意を確認
- 2脂肪の採取局所麻酔で少量採取
- 3培養・品質確認専門施設で実施
- 4投与医師が方法を決定
- 5経過観察再診で状態を確認
この図は本文の内容を整理した概念図です。実際の内容は診察で医師が説明します
参考情報
- PubMed: GMP-compliant extracellular vesicles derived from umbilical cord mesenchymal stromal cells: manufacturing and pre-clinical evaluation in ARDS treatment. (2024)
- PubMed: Platelet-derived growth factors for GMP-compliant propagation of mesenchymal stromal cells. (2009)
- PubMed: Ex vivo-expanded autologous bone marrow-derived mesenchymal stromal cells in human spinal cord injury/paraplegia: a pilot clinical study. (2009)
- PMC: Impact of the Different Preparation Methods to Obtain Human Adipose-Derived Stromal Vascular Fraction Cells (AD-SVFs) and Human Adipose-Derived Mesenchymal Stem Cells (AD-MSCs): Enzymatic Digestion Versus Mechanical Centrifugation. (2019)
- PMC: Adipose-Derived Mesenchymal Stem Cell Treatments and Available Formulations. (2020)
- PMC: Corneal Regeneration Using Adipose-Derived Mesenchymal Stem Cells. (2022)
- PMC: Tissue Harvesting Site Effect on the Canine Adipose Stromal Vascular Fraction Quantity and Quality. (2021)
- 厚生労働省: 医療広告規制におけるウェブサイト等の事例解説書 / Q&A (2023)
- 厚生労働省: 医療広告規制に関する情報
- 厚生労働省: 再生医療について
監修医師紹介
医療法人島田クリニック理事長
グラングリーン大阪うめきたクリニック診療部長
島田 英徳
2005年徳島大学医学部医学科卒業。初期研修後、米国医師資格(ECFMG certification)を取得し、米国ワシントン大学一般外科にてサブインターンとして研修。京都大学大学院医学研究科博士課程、京都大学iPS細胞研究所研究員を経て、2013年に島田クリニックを開業。グラングリーン大阪うめきたクリニック(https://umekitaclinic.org)では、内科・小児科から細胞治療や美容医療に至るまで、幅広い診療に携わる。
※本記事の医師監修に関して、学術部分のみの監修となり、医師が具体的な施術や商品等を推奨しているものではございません。