グラングリーン大阪うめきたクリニックの島田英徳です。
変形性股関節症による股関節の痛みでお悩みですか?
歩き始めや立ち上がる際に股関節に痛みを感じる、階段の上り下りがつらい、長時間同じ姿勢でいると股関節が固まったように感じる。このような症状は、日常生活の質に大きく影響を及ぼす可能性があります。もし、股関節の痛みが続いており、改善策を探しているなら、その原因の一つに「変形性股関節症」が考えられます。
これまで、変形性股関節症の治療は、運動療法や薬物療法といった保存療法、あるいは人工股関節置換術などの外科手術が中心でした。しかし近年、これらの選択肢に加えて、ご自身の細胞を活用する「再生医療」というアプローチが注目されています。この記事では、変形性股関節症の基本的な情報から、再生医療(幹細胞治療)がどのような選択肢となり得るのか、そして治療を検討する上で知っておきたい点について解説します。
変形性股関節症とはどのような疾患か
変形性股関節症は、股関節の表面を覆っている軟骨が、加齢や体重の負荷、あるいは先天的な骨の形状などが原因ですり減っていくことで発症する疾患です。軟骨がすり減ると、その下にある骨同士が直接こすれ合うようになり、痛みや炎症、骨の変形(骨棘形成)を引き起こします。
主な症状には以下のようなものがあります。
- 股関節周辺(足の付け根)の痛み
- 歩行時や立ち上がり時の痛み
- 関節の動かせる範囲が狭くなる(可動域制限)
- 足をひきずるように歩く(跛行)
初期段階では、動き始めに軽い痛みを感じる程度ですが、進行すると安静時にも痛みが現れるようになり、日常生活に支障をきたすことも少なくありません。診断は、問診や身体診察に加え、レントゲン(X線)検査などの画像診断を用いて、関節の状態を評価して行われます。
股関節の痛みに対する主な治療法
変形性股関節症の治療方針は、症状の進行度や年齢、活動レベルなどを総合的に考慮して決定されます。一般的には、まず保存療法から開始し、効果が不十分な場合に外科的治療が検討されます。
保存療法
症状が比較的軽い場合に選択される治療法です。痛みを和らげ、病気の進行を遅らせることを目的とします。
- 運動療法:股関節周辺の筋力を強化したり、ストレッチを行ったりすることで、関節への負担を軽減します。水中ウォーキングなども推奨されることがあります。
- 薬物療法:痛みや炎症を抑えるために、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の飲み薬や貼り薬、ヒアルロン酸の関節内注射などが用いられることがあります。
- 生活指導:体重管理や杖の使用など、日常生活で股関節への負担を減らす工夫も重要です。
外科的治療
保存療法で十分な改善が見られず、痛みによって日常生活に大きな支障が出ている場合に検討されます。代表的なものに「人工股関節置換術」があります。これは、損傷した股関節を金属やポリエチレンなどでできた人工の関節に置き換える手術です。痛みの軽減や関節機能の改善が期待できますが、手術に伴うリスクやリハビリテーションが必要となります。
新たな選択肢としての再生医療(幹細胞治療)
保存療法では物足りない、しかし外科手術には抵抗がある、という場合に検討されるのが再生医療です。特に、ご自身の脂肪などから採取した幹細胞を利用する治療法が、変形性股関節症の新たな選択肢として研究・臨床応用されています。
幹細胞には、体内の損傷した組織の修復を助ける働きや、炎症を抑える作用があると考えられています。この性質を利用し、患者様ご自身の体から採取した幹細胞を培養・濃縮し、痛みの原因となっている股関節内に投与します。これにより、関節内の環境を整え、痛みの緩和や機能の改善を目指します。
この治療法は、ご自身の細胞を用いるため、拒絶反応のリスクが低いとされています。また、外科手術と比較して体への負担が少ない点も特徴の一つです。ただし、再生医療はすべての方に適応となるわけではなく、効果の現れ方には個人差があります。また、この治療は公的医療保険が適用されない自由診療となります。治療の適応については、専門の医師による詳細な診察と評価が必要です。
大阪・梅田で再生医療について相談する際に
変形性股関節症に対する再生医療を検討するにあたり、どこに相談すればよいか迷われる方もいらっしゃるかもしれません。グラングリーン大阪 うめきたクリニックでは、再生医療に関するご相談も承っております。
治療を検討する上で最も重要なのは、ご自身の現在の関節の状態を正確に把握し、再生医療が適した選択肢となり得るのかを専門の医師とよく相談することです。医師による診察を通じて、治療のメリットだけでなく、考えられるリスクや副作用、費用、治療期間などについても十分な説明を受け、納得した上で判断することが大切です。
グラングリーン大阪 うめきたクリニックは、大阪駅・梅田駅からのアクセスも良く、お仕事帰りやお買い物のついでにも立ち寄りやすい立地にあります。股関節の痛みにお悩みで、再生医療という選択肢に関心をお持ちの方は、一度ご相談ください。
まとめ
変形性股関節症による股関節の痛みは、多くの方の生活の質を低下させる深刻な問題です。治療法には、運動療法や薬物療法、外科手術などがありますが、近年では再生医療(幹細胞治療)も新たな選択肢として加わってきました。
どの治療法が最適かは、患者様一人ひとりの症状や進行度、ライフスタイルによって異なります。大切なのは、ご自身の状態を正しく理解し、それぞれの治療法の長所と短所を比較検討することです。股関節の痛みが続く場合は、自己判断で放置せず、まずは専門の医療機関を受診し、医師の診断を受けることから始めましょう。
参考情報
- PubMed: [Coxarthrosis]. (1978)
- PubMed: Pelvic incidence and hip disorders. (2018)
- PubMed: [Coxarthrosis–an update]. (2009)
- PubMed: Prevalence of coxarthrosis. (1984)
- PubMed: Total hip arthroplasty using a Kerboull-type plate for rapidly destructive coxarthrosis: comparison with uncemented acetabular component. (2016)
- PMC: Blood loss in total hip arthroplasty for rapidly destructive coxarthrosis. (2001)
- PMC: [Gluteal tendinitis and primary coxarthrosis may lead to iliotibial band syndrome: a Mendelian randomization study]. (2024)
- PMC: Extreme variations in racial rates of total hip arthroplasty for primary coxarthrosis: a population-based study in San Francisco. (1995)
- PMC: Psychological comorbidities in osteoarthritis in Germany. (2023)
- 厚生労働省: 医療広告規制におけるウェブサイト等の事例解説書 / Q&A (2023)
監修医師紹介
医療法人島田クリニック理事長
グラングリーン大阪うめきたクリニック診療部長
島田 英徳
2005年徳島大学医学部医学科卒業。初期研修後、米国医師資格(ECFMG certification)を取得し、米国ワシントン大学一般外科にてサブインターンとして研修。京都大学大学院医学研究科博士課程、京都大学iPS細胞研究所研究員を経て、2013年に島田クリニックを開業。グラングリーン大阪うめきたクリニック(https://umekitaclinic.org)では、内科・小児科から細胞治療や美容医療に至るまで、幅広い診療に携わる。
※本記事の医師監修に関して、学術部分のみの監修となり、医師が具体的な施術や商品等を推奨しているものではございません。