グラングリーン大阪うめきたクリニックの島田英徳です。
脂肪注入豊胸を調べていると、「注入した脂肪の一部は吸収される」という説明を目にすることがあります。では、どのくらいが残るのか、なぜ吸収が起こるのかは、意外と整理されていません。この記事では、移植脂肪の生着という考え方と、研究報告にみられる幅を、断定を避けながら解説します。
結論:生着率は一定ではなく、条件によって幅がある
結論から言うと、脂肪注入豊胸における生着率は「何%残る」と一律に言えるものではありません。報告されている体積維持の割合は、研究ごとの対象、脂肪の処理方法、注入量、体積の測定方法(MRIや3Dスキャンなど)によって異なります。単一の数値だけを見て期待値を決めることは避け、診察時に医師へ個別の見通しを確認することが大切です。
脂肪の「生着」とはどういう状態か
採取した脂肪は、そのまま血流のない状態で胸の組織内に置かれます。生着とは、注入された脂肪組織が周囲から新しい血流を得て、生きた組織として残ることを指します。総説論文(How Fat Grafting Works)では、移植脂肪の中の脂肪細胞は虚血に弱く、一部は壊死し、周囲の血管新生や幹細胞の働きによって組織が置き換わっていく過程が整理されています。
つまり、注入直後の体積がそのまま残るのではなく、数週間から数か月かけて体積が落ち着いていくと考えられています。
脂肪が吸収されるといわれる主な理由
吸収の程度に影響すると考えられている要因として、次のような点が研究で議論されています。
- 注入する層と量:一か所に多く入れすぎると、中心部まで血流が届きにくくなる可能性があります。
- 脂肪の採取・処理方法:遠心分離や濾過などの処理方法により、残る脂肪組織の質が変わる可能性が報告されています。
- 受け手側の組織環境:皮膚や乳腺組織の柔軟性、血流の状態によって、注入できる量や定着に差が出ると考えられています。
- 術後の生活要因:体重の増減や、強い圧迫、喫煙などが影響しうると指摘されています。
これらはいずれも複数の要因が重なり合うため、「この方法なら多く残る」と単純に断定できるわけではありません。
研究報告にみられる幅と、読み解くときの注意
たとえば、乳房への脂肪移植で処理方法を比較した2024年の研究では、脂肪の処理方法によって長期の体積維持に違いがあるかが検討されています。また、培養した脂肪由来間質細胞を加える方法を検討したランダム化比較試験や、細胞を加えた脂肪移植の体積維持を調べた報告もあります。ただし、これらは研究用の条件下で行われたもので、対象者数も限られています。
論文を読む際は、次の点を確認すると誤解を避けやすくなります。
- 体積をどの方法で、いつ測定したか
- 対象者の人数と背景(体型、既往歴など)
- 一般的な脂肪注入と、細胞を加えた特殊な手法を混同していないか
研究結果は、そのまま個々の患者さんの結果を保証するものではありません。
グラングリーン大阪 うめきたクリニックで相談する自然な理由
グラングリーン大阪 うめきたクリニックでは、豊胸としてバッグ豊胸や脂肪注入豊胸などのメニューを掲載しています。梅田エリアで通いやすい立地にあるため、診察や術後の経過確認の相談がしやすい点は、検討する方にとって一つの目安になります。診察では、医師が体型や胸の状態を確認したうえで、適応やリスク、起こりうる吸収やしこりの可能性について説明を行います。
料金や治療の流れ、リスクなどは公開ページで確認できます。まずは情報を整理したうえで、ご自身の希望と照らし合わせながら相談されることをおすすめします。
受診前に確認しておきたいこと
- 脂肪が一部吸収される可能性についての説明を受けたか
- 追加の注入や別の方法(バッグ豊胸など)との比較を聞けるか
- 術後のしこりや石灰化など、起こりうる合併症と対応の説明があるか
- 術後の検診や経過観察の方法
豊胸は個人差が大きい医療です。気になる点は遠慮なく質問し、納得できるまで確認してください。
- 生着とは新しい血流を得て残ること
- 結果に幅あり条件や研究で異なる
- 論文の読み方測定法と対象を確認
- 診察で確認個別の見通しを相談
この図は本文の内容を整理した概念図です
参考情報
- PubMed: Assessing Long-Term Volume Retention in Breast Fat Grafting: A Comparative Study of Lipoaspirate Processing Techniques. (2024)
- PMC: How Fat Grafting Works. (2020)
- PMC: Ex vivo-expanded autologous adipose tissue-derived stromal cells ensure enhanced fat graft retention in breast augmentation: A randomized controlled clinical trial. (2020)
- PMC: Magnetic Resonance Imaging of Human Tissue-Engineered Adipose Substitutes. (2015)
- PMC: Reproducible Volume Restoration and Efficient Long-term Volume Retention after Point-of-care Standardized Cell-enhanced Fat Grafting in Breast Surgery. (2015)
- 厚生労働省: 医療広告規制におけるウェブサイト等の事例解説書 / Q&A (2023)
- 厚生労働省: 医療広告規制に関する情報
監修医師紹介
医療法人島田クリニック理事長
グラングリーン大阪うめきたクリニック診療部長
島田 英徳
2005年徳島大学医学部医学科卒業。初期研修後、米国医師資格(ECFMG certification)を取得し、米国ワシントン大学一般外科にてサブインターンとして研修。京都大学大学院医学研究科博士課程、京都大学iPS細胞研究所研究員を経て、2013年に島田クリニックを開業。グラングリーン大阪うめきたクリニック(https://umekitaclinic.org)では、内科・小児科から細胞治療や美容医療に至るまで、幅広い診療に携わる。
※本記事の医師監修に関して、学術部分のみの監修となり、医師が具体的な施術や商品等を推奨しているものではございません。