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細胞の継代数が再生医療で重要な理由とは

グラングリーン大阪うめきたクリニックの島田英徳です。

再生医療や細胞治療という言葉を耳にする機会が増え、ご自身の健康や美容への応用に関心を持つ方もいらっしゃるかもしれません。これらの治療では、体外で培養して増やした細胞を用いることがありますが、その過程で「細胞の品質」をいかに保つかが極めて重要になります。その品質を測る指標の一つが「継代(けいだい)数」です。

細胞の継代数は、再生医療に用いる細胞の品質、安全性、そして期待される機能に直結する重要な指標です。継代を重ねすぎると細胞が本来の性質を失ったり、老化したりする可能性があるため、医療機関では厳密な管理が求められます。この記事では、なぜ細胞の継代数が重要なのか、その背景にある細胞老化や品質管理との関係について解説します。

細胞の「継代」とは何か?

まず、細胞の「継代」という言葉についてご説明します。再生医療で用いる幹細胞などの細胞は、多くの場合、患者様ご自身やドナーから採取した組織から分離し、専門の施設で培養して数を増やします。

細胞は、培養ディッシュ(シャーレ)の中で栄養が含まれた液体(培地)に浸されて増殖します。しかし、ディッシュの中で増殖できるスペースには限りがあります。細胞がディッシュの底面を覆い尽くすと、それ以上増えることができなくなってしまいます。そこで、増えた細胞の一部を新しいディッシュに移し、再び培養を続ける操作が必要になります。この植え替えの操作を「継代」と呼びます。

そして、「継代数」とは、この植え替え操作を何回繰り返したかを示す回数のことです。例えば、5回植え替えを行えば、その細胞は「5継代」となります。この回数は、細胞がどれくらいの期間、どれだけ分裂を繰り返してきたかを知るための目安となるのです。

なぜ継代数が再生医療で重要なのか

では、なぜこの継代数が再生医療の分野でこれほど重要視されるのでしょうか。その理由は、細胞の「老化」「品質」「安全性」という3つの側面に深く関わっています。

  • 細胞老化(Cellular Senescence): 人間の細胞は、無限に分裂し続けられるわけではありません。分裂できる回数には限りがあり、これは「ヘイフリック限界」として知られています。継代を重ねて分裂回数が増えるにつれて、細胞は次第に増殖を停止し、「老化細胞」へと変化していきます。老化細胞は、それ自体が増殖しないだけでなく、炎症を引き起こす様々な物質(SASP因子)を分泌することがあり、周囲の組織に意図しない影響を与える可能性が指摘されています。
  • 品質の均一性と機能の変化: 継代を繰り返す過程で、細胞の性質が変化することがあります。例えば、治療に有益な特定の機能を持っていた細胞がその能力を失ったり、逆に特定の性質を持つ細胞だけが選択的に増えてしまったりすることで、培養開始時とは異なる細胞集団になってしまう可能性があります。これにより、期待される治療効果に影響が出ることが懸念されます。
  • 安全性への影響: 細胞は分裂を繰り返す際に、ごく稀に遺伝子(DNA)の複製エラーを起こすことがあります。継代数が多くなればなるほど分裂回数も増えるため、染色体異常などの遺伝的変異が蓄積するリスクが高まる可能性が考えられます。治療に用いる細胞の安全性を確保するためには、こうしたリスクを最小限に抑える必要があり、継代数を適切に管理することが不可欠です。

細胞の品質を保つための管理体制

再生医療を提供する医療機関では、細胞の品質と安全性を担保するために、継代数を含む厳格な管理基準を設けています。具体的には、細胞の種類ごとに適切な継代数の上限を定め、その範囲内で培養された細胞のみを治療に用いるといった取り組みが行われています。

また、継代数だけでなく、細胞の形態が正常か、目的の機能が維持されているか、細菌やウイルスに汚染されていないかなど、多角的な品質評価試験を実施します。これらの厳密なプロセスを経て、初めて細胞は医療用途として使用することが可能になります。

受診前に確認しておきたいこと

再生医療を検討する際には、どのような品質管理体制のもとで細胞が培養・保管されているのかを理解しておくことも大切です。専門的な内容も含まれるため、カウンセリングや診察の際に医師から直接説明を受け、疑問点を解消することが望ましいでしょう。特に、以下の点について事前に確認することで、より納得して治療の選択ができます。

  • 治療の目的とご自身の状態への適応
  • 使用する細胞の種類と品質管理の基準
  • 考えられる効果と、リスクや副作用
  • 治療にかかる費用、期間、回数の目安

大阪・梅田で細胞治療を検討されている方へ

グラングリーン大阪 うめきたクリニックでは、再生医療等安全性確保法に基づき、細胞を用いた治療に関するご相談を承っております。細胞の品質管理は、治療の根幹をなす非常に重要な要素であり、当院ではその点について丁寧な情報提供を心がけています。

大阪駅直結の立地で、お仕事帰りや買い物のついでにもアクセスしやすいため、再生医療についてまずは話を聞いてみたいという方もお気軽にご相談いただけます。治療の適応や具体的な内容は、医師による診察の上で個別に判断する必要があります。治療にかかる費用、期間、回数の目安、および考えられるリスクや副作用などの詳細については、診察時に医師がご説明しますので、ご不明な点はお気軽にご質問ください。

まとめ

細胞の「継代数」は、再生医療における細胞の品質、機能、そして安全性を担保するための重要な管理指標です。継代を重ねることで細胞は老化し、その性質が変化する可能性があるため、医療現場では厳格な基準のもとで管理されています。再生医療は専門性の高い分野ですが、ご自身の体に関わる大切な治療だからこそ、こうした品質管理の背景についても知っておくことが、納得のいく選択につながります。治療を検討される際は、医師から十分な説明を受け、ご自身の疑問や不安を解消した上で判断することが重要です。

参考情報

監修医師紹介

島田 英徳

医療法人島田クリニック理事長
グラングリーン大阪うめきたクリニック診療部長

島田 英徳

2005年徳島大学医学部医学科卒業。初期研修後、米国医師資格(ECFMG certification)を取得し、米国ワシントン大学一般外科にてサブインターンとして研修。京都大学大学院医学研究科博士課程、京都大学iPS細胞研究所研究員を経て、2013年に島田クリニックを開業。グラングリーン大阪うめきたクリニック(https://umekitaclinic.org)では、内料・小児科から細胞治療や美容医療に至るまで、幅広い診療に携わる。

※本記事の医師監修に関して、学術部分のみの監修となり、医師が具体的な施術や商品等を推奨しているものではございません。

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