グラングリーン大阪うめきたクリニックの島田英徳です。
IPL(光治療)などでシミ取り治療を受けた後、一時的にシミが薄くなったように見えたのに、しばらくして同じ場所に再びシミのような色素沈着が現れることがあります。これは「戻りジミ」とも呼ばれ、治療を検討する際に不安に感じる点の一つかもしれません。しかし、これは治療がうまくいかなかったわけではなく、多くは「炎症後色素沈着(PIH)」という皮膚の反応によるものです。
この記事では、シミ取り治療後に起こりうる「戻りジミ」の正体である炎症後色素沈着について、その原因と、発生のリスクを抑えるためのアフターケア、そして万が一起こってしまった場合の考え方について解説します。
戻りジミの正体は「炎症後色素沈着(PIH)」
シミ取り治療後に見られることがある「戻りジミ」の多くは、医学的には「炎症後色素沈着(Post-Inflammatory Hyperpigmentation: PIH)」と呼ばれる状態です。これは、IPLやレーザー治療によって皮膚が受けた熱エネルギーなどの刺激が一種の炎症反応を引き起こし、その防御反応としてメラノサイト(色素細胞)が活性化され、メラニン色素が過剰に生成されることで生じます。
つまり、PIHは治療の失敗や副作用というよりも、皮膚が治癒していく過程で起こりうる自然な反応の一つと捉えられています。特に、アジア人の肌は欧米人の肌に比べてPIHが起こりやすい傾向があるとされています。この反応には個人差が大きく、同じ治療を受けても全く起こらない人もいれば、目立ちやすい人もいます。
戻りジミ(PIH)が起こる主な原因
炎症後色素沈着が発生するリスクは、いくつかの要因によって高まる可能性があります。主な原因を理解し、適切な対策につなげることが大切です。
- 治療による炎症反応
IPLやレーザーの光エネルギーは、シミの原因であるメラニン色素に反応して熱を発生させます。この熱が周囲の組織に微細な炎症を引き起こすことが、PIHの直接的な引き金となります。 - 紫外線への曝露
治療後の肌は、バリア機能が一時的に低下しており、非常にデリケートな状態です。この時期に紫外線を浴びると、メラノサイトが過剰に刺激され、PIHのリスクが著しく高まります。 - 物理的な摩擦や刺激
治療後にできたかさぶたを無理に剥がしたり、洗顔時に肌を強くこすったりすることも、炎症を長引かせる原因となります。過度なマッサージや、刺激の強いスキンケア製品の使用も避けるべきです。 - 肌質や体質
もともとの肌の色が濃い方や、ニキビ跡がシミになりやすい方など、色素沈着を起こしやすい体質の方は、PIHのリスクが比較的高くなる傾向があります。
戻りジミを防ぐための適切なアフターケア
炎症後色素沈着のリスクを最小限に抑えるためには、治療後の丁寧なアフターケアが非常に重要です。以下のポイントを心がけましょう。
1. 徹底した紫外線対策
治療直後から少なくとも3ヶ月間は、紫外線対策を徹底することが最も重要です。日焼け止めはSPF30・PA+++以上のものを、季節や天候にかかわらず毎日使用し、2〜3時間おきに塗り直すことを推奨します。また、帽子、日傘、サングラスなどを活用し、物理的に紫外線を遮断することも効果的です。
2. 十分な保湿
肌が乾燥するとバリア機能が低下し、外部からの刺激を受けやすくなります。化粧水や乳液、クリームなどで十分に保湿を行い、肌のターンオーバーを正常に保つことで、メラニンの排出を促すことにもつながります。
3. 肌への刺激を避ける
洗顔はたっぷりの泡で優しく行い、タオルで水分を拭き取る際も押さえるようにします。スクラブ入りの洗顔料や、ピーリング作用のある化粧品の使用は、医師の許可があるまで控えましょう。
4. 内服薬や外用薬の活用
医師の判断により、メラニンの生成を抑えるトラネキサム酸や、抗酸化作用のあるビタミンC・Eなどの内服薬、あるいはハイドロキノンなどの美白外用薬の併用が推奨される場合があります。これらは医師の診察のもと、適切な用法・用量を守って使用することが大切です。
もし戻りジミが出てしまった場合の考え方
適切なアフターケアを行っていても、体質などによってはPIHが起きてしまうことがあります。もし戻りジミが現れた場合でも、過度に心配する必要はありません。多くの場合、PIHは一過性のものであり、肌のターンオーバーとともに数ヶ月から半年、場合によっては1年ほどかけて徐々に薄くなっていく傾向があります。
最も重要なのは、自己判断で対処しないことです。焦って市販の強力な美白化粧品を使ったり、別の治療を試したりすると、かえって肌への刺激となり症状を悪化させる可能性があります。まずは治療を受けたクリニックに連絡し、医師の診察を受けるようにしてください。肌の状態を正確に診断し、必要に応じて追加の治療法(内服薬の継続やケミカルピーリングなど)を提案してもらえます。
大阪・梅田でシミ治療後のケアを相談するなら
グラングリーン大阪 うめきたクリニックでは、IPL(ルメッカ)をはじめとする美容医療を提供しており、シミやそばかすに関するご相談も承っています。治療を行う際には、炎症後色素沈着のようなリスクについても事前にご説明し、患者様一人ひとりの肌質やライフスタイルに合わせたアフターケアの方法を丁寧にご案内することを心がけています。
治療は一度で終わりではなく、その後の経過をしっかりと見守ることが大切です。グラングリーン大阪 うめきたクリニックはJR大阪駅に直結しており、アクセスしやすいため、治療後の経過観察や、万が一気になる症状が出た際の相談にも便利です。どのような治療がご自身の肌に適しているか、また治療後の注意点について詳しく知りたい方は、まずは医師の診察を通じてご相談ください。
治療内容の詳細や費用、リスク、副作用などについては、以下のページもご参照ください。
詳細はこちらまとめ
シミ取り治療後に見られることがある「戻りジミ」は、多くが炎症後色素沈着(PIH)という一過性の反応です。これは治療の失敗ではなく、皮膚の治癒過程で起こりうる現象ですが、適切なアフターケアによってそのリスクを低減させることが期待できます。
特に「徹底した紫外線対策」「十分な保湿」「肌への刺激を避ける」という3点が重要です。万が一PIHが起きてしまった場合も、慌てずに治療を受けた医療機関に相談し、医師の指示に従うことが、きれいな肌を目指すための近道となります。治療を検討する際は、こうしたリスクやアフターケアについても十分に説明を受け、納得した上で臨むことが大切です。
参考情報
- PubMed: Postinflammatory hyperpigmentation: A comprehensive overview: Treatment options and prevention. (2017)
- PubMed: Efficacy of fractional laser, radiofrequency and IPL rejuvenation of periorbital region. (2022)
- PubMed: Post-inflammatory hyperpigmentation after carbon dioxide laser: review of prevention and risk factors. (2023)
- PubMed: [Post-inflammatory hyperpigmentation occuring after cosmetic procedures]. (2016)
- PubMed: The role of epidermal growth factor-containing topical products on recovery and post-inflammatory hyperpigmentation prevention after laser surgeries: A systematic review and meta-analysis. (2024)
- 厚生労働省: 医療広告規制におけるウェブサイト等の事例解説書 / Q&A (2023)
- 厚生労働省: 医療広告規制に関する情報
監修医師紹介
医療法人島田クリニック理事長
グラングリーン大阪うめきたクリニック診療部長
島田 英徳
2005年徳島大学医学部医学科卒業。初期研修後、米国医師資格(ECFMG certification)を取得し、米国ワシントン大学一般外科にてサブインターンとして研修。京都大学大学院医学研究科博士課程、京都大学iPS細胞研究所研究員を経て、2013年に島田クリニックを開業。グラングリーン大阪うめきたクリニック(https://umekitaclinic.org)では、内料・小児科から細胞治療や美容医療に至るまで、幅広い診療に携わる。
※本記事の医師監修に関して、学術部分のみの監修となり、医師が具体的な施術や商品等を推奨しているものではございません。