グラングリーン大阪うめきたクリニックの島田英徳です。
はじめに:糸リフトの仕組みへの疑問
大阪・梅田周辺で、フェイスラインのたるみやほうれい線といったお悩みに対して、美容医療の選択肢の一つである「糸リフト(スレッドリフト)」を検討されている方もいらっしゃるかもしれません。糸を皮下に入れることでリフトアップを目指す施術ですが、「なぜ糸を入れるだけでたるみが引き上がるのだろうか」「素材によって何が違うのか」といった仕組みに関する疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
この記事では、糸リフトがたるみにアプローチする基本的な仕組み、特にPDOやPCLといった素材とコラーゲン生成の関係について、医学的な観点から解説します。ご自身に適した治療法を考えるための、正しい知識の整理にお役立てください。
糸リフトがたるみを引き上げる2つの仕組み
糸リフトによるリフトアップ効果は、主に2つの作用に基づいています。一つは挿入した糸による「物理的な引き上げ効果」、もう一つは糸が吸収される過程で起こる「コラーゲン生成の促進効果」です。
- 物理的な引き上げ効果:糸には「コグ」と呼ばれる小さなトゲのようなものが付いています。このコグが皮下組織にしっかりと引っかかり、たるんだ組織を物理的に引き上げて支えます。これにより、施術直後からフェイスラインの引き締まりなどが期待できます。
- コラーゲン生成の促進効果:挿入された糸は、体にとっては異物です。そのため、糸の周囲では創傷治癒反応が起こります。この過程で、肌のハリや弾力をつかさどる線維芽細胞が刺激され、コラーゲンやエラスチンの生成が促進されると考えられています。糸が体内に吸収された後も、この増生した自己組織によって肌のハリや弾力が維持されることが期待されます。
糸の素材(PDO・PCLなど)による特徴の違い
糸リフトに使われる糸は、時間とともに体内で分解・吸収される素材で作られています。代表的な素材にはPDO、PCL、PLLAなどがあり、それぞれに特徴が異なります。どの素材が適しているかは、目的や肌の状態、医師の判断によって変わります。
PDO(ポリジオキサノン)
医療用の縫合糸として長年使用されてきた実績のある素材です。比較的短期間(約6ヶ月~1年)で体内に吸収されるのが特徴です。硬さがあるため、しっかりとしたリフトアップ効果が期待できるとされています。
PCL(ポリカプロラクトン)
PDOよりもゆっくりと(約2年~3年)体内に吸収される素材です。柔軟性が高く、しなやかなリフトアップが期待できるとされています。長期間にわたって皮下組織を刺激し続けるため、コラーゲン生成の促進効果が長く続くことが期待されます。
PLLA(ポリL乳酸)
PCLと同様に、比較的長期間かけて吸収される素材です。コラーゲン生成を促す力が強いとされ、肌のハリやボリュームアップを目的として用いられることがあります。
これらの素材を組み合わせた糸(PLCLなど)も開発されており、それぞれの利点を活かした施術が行われています。グラングリーン大阪 うめきたクリニックで取り扱っている「VOVリフト」や「アルテミスリフト」も、こうした特性の異なる糸を用いた施術の一種です。
たるみ治療の選択肢と注意点
たるみ治療には、糸リフトの他にも様々な選択肢があります。例えば、高周波(RF)を用いた治療や、ヒアルロン酸注入によるボリュームの補正など、たるみの原因や状態によって適したアプローチは異なります。
糸リフトは、メスを使わないたるみ治療として注目されていますが、医療行為であることに変わりはありません。考えられるリスクや副作用として、以下のようなものが挙げられます。
- 腫れ、痛み、内出血
- ひきつれ感や違和感
- 感染
- 糸の露出
これらのリスクを理解し、施術後の注意点を守ることが重要です。また、期待できる効果には個人差があるため、過度な期待はせず、医師と十分に話し合った上で治療を検討することが大切です。
大阪・梅田で糸リフトを検討する前に
ご自身のたるみの状態や肌質、骨格に合った治療法を見つけるためには、まず専門的な知識を持つ医師の診察を受けることが不可欠です。カウンセリングでは、ご自身の希望を伝えるとともに、医師から提案される治療法の仕組みやメリット、リスクについて詳しく説明を受けましょう。
グラングリーン大阪 うめきたクリニックは、大阪駅・梅田駅からアクセスしやすい立地にあります。グラングリーン大阪 うめきたクリニックでは、医師が患者様一人ひとりのお悩みを丁寧にお伺いし、肌の状態を診察した上で、糸リフトを含む複数の選択肢の中から適切な治療法をご提案します。糸リフトは自由診療であり、治療内容によって費用や期間、リスク、副作用が異なります。診察の際に、これらの点についても詳しくご説明いたしますので、ご不明な点は何でもご質問ください。
まとめ
糸リフトは、コグによる物理的な引き上げと、糸が吸収される過程でのコラーゲン生成促進という2つの仕組みによって、たるみにアプローチする治療法です。PDOやPCLといった素材の違いにより、持続期間や特性が異なります。
どのような治療が自分に適しているかは、自己判断では難しいものです。大阪・梅田でたるみ治療やリフトアップに関心をお持ちの方は、まずは一度、専門のクリニックで医師に相談し、ご自身の状態に合った選択肢について説明を受けることをお勧めします。
参考情報
- PubMed: Regeneration in Aesthetic Medicine: Mechanisms, Evidence, and Clinical Boundaries. (2026)
- PubMed: Stimulation of collagenesis by poly-L-lactic acid (PLLA) and -glycolide polymer (PLGA)-containing absorbable suspension suture and parallel sustained clinical benefit. (2020)
- PubMed: Efficacy study of the new polycaprolactone thread compared with other commercialized threads in a murine model. (2021)
- PubMed: Real-World Study of Definisse Threads for Facial Reshaping in Indian Patients: REDEFINE FACE Study. (2024)
- PubMed: Minimally Invasive Suture-crossing Technique for Facial Contour Restoration Using Poly-l-lactic Acid/Polycaprolactone Aptos Threads. (2026)
- PMC: Enhancing dermal collagen density towards youthfulness: A comparative study of PCL, PLLA, and PDO thread implantation in aging rats model. (2025)
- PMC: Efficacy study of the new polycaprolactone thread compared with other commercialized threads in a murine model. (2021)
- PMC: Benefits of P(LA/CL)-Hyaluronic Acid Threads With Innovative Hyaluronic Acid Coating Technology (NAMICA)-Preclinical Test Results. (2025)
- PMC: Zigzag Barbed Polydioxanone Thread Implantation and Evaluation Using Polydimethylsiloxane Model to Simulate Thread Migration in Tissue. (2024)
- 厚生労働省: 医療広告規制におけるウェブサイト等の事例解説書 / Q&A (2023)
監修医師紹介
医療法人島田クリニック理事長
グラングリーン大阪うめきたクリニック診療部長
島田 英徳
2005年徳島大学医学部医学科卒業。初期研修後、米国医師資格(ECFMG certification)を取得し、米国ワシントン大学一般外科にてサブインターンとして研修。京都大学大学院医学研究科博士課程、京都大学iPS細胞研究所研究員を経て、2013年に島田クリニックを開業。グラングリーン大阪うめきたクリニック(https://umekitaclinic.org)では、内料・小児科から細胞治療や美容医療に至るまで、幅広い診療に携わる。
※本記事の医師監修に関して、学術部分のみの監修となり、医師が具体的な施術や商品等を推奨しているものではございません。